映画「MILK」

現在、「MILK」という映画が公開されています。
( 公式ページ→ http://milk-movie.jp/enter.html )

 サンフランシスコの元市政執行委員(日本の市議会議員に相当)であるハーヴィー・ミルク(ハーヴェイ・ミルク)の後半生を描いた、実話に沿って作られた映画です。
 彼はゲイであることを公表して選挙に出馬し(米国の大都市では初めて)公職に選ばれました。

 議員を目指した当初は男性同性愛者の当事者の代表として選挙に出たものの、たびたび落選。しかし、セクシュアルマジョリティの一般市民から好感を得られやすいスタイルを身につけ、女性同性愛者をスタッフに迎え、高齢者や少数民族などその他の社会的マイノリティの為のマニュフェストをかかげていきました。そして、2度の落選や、(私生活を犠牲にしての勝てない選挙に限界を感じた)恋人との別離を乗り越えて、1977年に初当選を果たします。
 
 当選後も、同性愛者が暮らしやすい社会を創る為にはより多くの人との連携が必要であると考えた彼は、教職にある同性愛者をその性的指向を理由に解雇できるとする条例案の廃案に尽力し、否決に導いた一方で、犬の糞の放置の問題といった、より幅広い市民が問題視していた課題にも熱心に取り組み、犬の糞の放置防止の為の条例を可決させることにも成功しました。
 しかし、保守派の元・市制執行委員(ミルクの暗殺の数日前に執行委員を辞職していた)ダン・ホワイトによって、1977年末に暗殺をされ、生涯を終えました。

 ミルクが暗殺された夜、自然発生的なキャンドル・ウォークが起こり、
何千人もの人が追悼に参加をしたと言われています。(http://www.archive.org/details/ssfHarveym1

 なお、現在はドイツの首都ベルリン市のクラウス・ボーベライト市長と、フランスの首都パリのベルトラン・ドラノエ市長はともに男性同性愛者であり、アイスランドヨハンナ・シグルザルドッティル首相は女性同性愛者であり、そのことを公言しています。

 ハーヴィー・ミルクがより幅広い層に訴えることで、当選を果たしたということ、欧州の市長や首相はセクシュアルマイノリティというパーソナリティーを持ちながらも、当事者の代表ではなく、市民や国民の代表として当選をし、職務に専念をしている。
 こうした、セクシュアルマイノリティの経験をセクシュアルマイノリティのためだけでなく、社会全体のために活かしていくということが、今後のセクシュアルマイノリティの活動の中心に位置づけられていくのではないかと思うしだいです。

 そうした流れのひとつが、今年のIDAHO関連イベントにもつながっているのだと思います。
http://yappaidaho.blog.shinobi.jp/Entry/46/
http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4ADBF_jaJP295JP296&q=%e6%84%9b%e3%83%80%e3%83%9b