小沢昭一さんの「小沢昭一座談③本邦ストリップ考 まじめに」より


 概要・・・元々パンダでも人間でも生き物ならば、メスの陰部はオスにとって慕わしきものだった。人間だけが、陰部だけをワイセツな個所としてしまった。脇の下などもずいぶんワイセツであるし、陰部は鼻の穴や脇の下と同じ体の一部である。陰部は人間の根源である輝かしい部分なのに気の毒である。
 ワイセツを見たくない人は見なければいい、見たい人には見せたらいい。
 他人に不快感を与える事は、何にせよ良くない。他人に不快感を与えるものは悪だ。悪は取り締まってほしい。臭い口臭ほど不快なものはない。口臭こそ悪だ。口臭は軽犯罪にして取り締まるべきだ。
 陰部のワイセツに不快感を持つ人は、もともとストリップ劇場に来なければいい、しかし、口臭者はどこにでも居て、急に向こうから現れる。ストリップを見たくない人がストリップを取り締まれというなら、その前に口臭を取り締まってくれ。
 日本の芸能史は報の目をくぐるエネルギーで進歩発達してきた。
 「法律」も「警察」も日人々の暮らしを守る事から出発している。一番大切なものは命だ。露出を続けても、観客は誰も命を落とさない。みんな喜ぶだけだ。

 ちなみに、この文章で、小沢さんは「メスの陰部はオスにとって慕わしいものだと行ったが、慕わしくない人だっている。近頃は、オスの陰部が慕わしいオスのヒト科も増えているようだ」とも述べている。

 ちまたでは東京都議選が行われている。そして夏の終わりまでには総選挙がある。「オスの陰部が慕わしいオスのヒト科」が自分らしく振る舞う事や、パートナーシップを形成して日々の暮らしを続けるとが侵害されないことを願って止まない。